外国人の免許取得増加の現状

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コロナ禍の日本に住む外国人の免許取得増加の現状

2020年 10月 The Japan Timesに掲載

インタビュー記事の概要

日本では、外国人の運転免許取得や免許切り替えが大幅に増えており、背景には満員電車を避けたいという需要があります。短期滞在者は国際運転免許証で運転できますが、長期滞在者は自国免許の切り替え手続きが必要です。知識試験や実技試験では日本特有の基準があり、多くの外国人が対策不足で苦戦しています。初めて免許を取る場合は自動車教習所が一般的で、英語対応の学校も増えています。

記事の翻訳

日本では近年、外国人が運転免許を取得・切り替えるケースが急増しています。東京にあるキキドライビングスクールの上野慶太代表によれば、同校を訪れる外国人受講者は昨年と比べて二倍から三倍に増えているとのことです。背景には、コロナ禍を経て満員電車を避けたいという生活者の意識や、移動の自由度を高めたいというニーズがあり、車を利用した移動手段を選ぶ外国人が増えています。

日本で運転を始める際には、まず自分がどの免許で運転できるのかを把握する必要があります。短期滞在者であれば、国際運転免許証（IDP）を使って最大1年間運転できます。ただし、IDPは自国で発行する必要があり、日本に入国してから取得することはできません。また、ドイツ、スイス、フランス、ベルギー、台湾など、ジュネーブ条約とは異なる条約に基づいて免許を発行している7つの国・地域から来た人は、IDPではなく、自国免許証とその公式翻訳文を使う形になります。

一方、日本に長期滞在する人は、自国の免許を日本の運転免許へ切り替える方法を検討することになります。手続きは各都道府県の運転免許センターで行われ、書類確認や視力などの適性検査、10問の知識試験、場合によっては実技試験を受ける流れになります。29の国と地域の免許であれば、知識試験と実技試験が免除されますが、多くの外国人はこの部分でつまずきます。元の免許証が有効であること、発行国に3か月以上滞在していたことを証明できるかどうかが特に重要で、準備不足で不合格になるケースも少なくありません。

実技試験については、日本独自の採点基準が存在し、海外で長く運転していた人でも苦戦することがあります。アメリカ・オハイオ州出身のトラビスさんは、筆記は問題なく通過したものの、初回の実技試験で不合格となり、同僚の中には7回も試験を受けた人もいたそうです。キキドライビングスクールの上野氏は「練習なしで合格するのはほぼ不可能」と説明し、実技試験対策として英語で受講できる講習を40分・60分のコースで提供しています。日本では左右確認のタイミングや徐行の仕方など、減点が細かく設定されており、これを理解しないまま受験すると合格は難しいのが現実です。

もし日本で初めて免許を取得する場合は、一般的に自動車教習所に通う方法が最も確実で、約30万円の費用と数か月の時間を要します。約98％の日本人がこの方法で免許を取得しているため、仕組みとしては安定しています。関東圏ではコヤマドライビングスクールや武蔵境自動車教習所で英語のコースを受けることもできます。もっと短期間・低価格での取得を希望する人は、約2週間の合宿免許を利用する方法もありますが、講義は日本語中心で、一定の日本語力が必要です。すでに運転経験が豊富な人であれば、都道府県の運転免許センターで直接試験を受ける方法もありますが、合格率は非常に低く、対策なしではほとんど合格できません。

免許を取得・切り替えた後の移動手段としては、レンタカーの利用も一般的です。観光客の増加に伴い、レンタカーの利用者数も年々増えており、トヨタレンタカーや日産レンタカーなど大手は英語の予約サイトを用意しています。車を借りる際には、パスポートとIDP、または日本の運転免許証が必要で、例の7か国からの旅行者は免許証と翻訳文の組み合わせで利用できます。返却時にはガソリンを満タンにする必要があり、車種に応じてレギュラー、ハイオク、軽油の違いにも注意しなければなりません。

日本の免許制度は複雑で、外国人にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、一度手続きが完了すれば、移動の自由度は大きく向上します。試験を受ける際は、事前準備と基準の理解がとても重要であり、必要に応じて専門の講習を受けることで、合格への道をぐっと短くすることができます。安全運転の意識を常に持ちながら、日本でのカーライフをより快適で自由なものにしていきたいものです。